あなたはなぜ薄毛になるのか? 今すぐ知っておきたい12個の原因

株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。

髪の悩み。それは遥か昔から、人類を悩ませてきました。髪の悩みを解決するために、人は知恵を絞ってきたのです。

たとえばカツラ。カツラの起源は紀元前3000年のエジプトだったと言われていますが、この頃は帽子の代わりに着用していたとされています。髪の悩みを解決するために着用した人として有名なのが、1600年代のフランス国王・ルイ13世です。彼は若はげに悩まされたため、かつらを着用し、ヨーロッパ中に普及させたというエピソードを持っています。

そもそも、人はなぜ薄毛になるのでしょうか? 人類のたゆまぬ努力により、薄毛の理由は大きく環境、生活、遺伝の3つに分類できるようになりました。

昔から敵を知り己を知れば百戦危うからずと言います。薄毛についても同様で、理由を知り、自分に合った対策を行えば、薄毛を回避できたり、場合によっては髪が再び生えてくることもあるほどです。

早速、薄毛の原因について理解を深めましょう!

薄毛になる原因まとめ

生活

1. 血行不良

頭皮の血行不良は薄毛になる大きな原因のひとつです。髪も体の組織の一部で、栄養を必要としています。栄養は血の流れによって届けられるので、血行が悪くなると栄養が供給されなくなります。その結果、髪の成長が停滞したり、抜け落ちることにつながるのです。

血行が悪くなる理由は多様で、一概に「これをやめればいい」とは言えません。下記にまとめた原因のなかには、血行不良を引き起こし、薄毛につながるものもありますので、ご参考ください。

2. 頭皮環境の悪化

血行不良と並んで薄毛の原因になるのが、頭皮環境の悪化です。

髪が草木だとすれば、頭皮は土壌。土壌の環境が悪ければ、草木はうまく育成することができません。同じように、頭皮環境が悪ければ髪も育成せずに枯れてしまいます。

頭皮環境が悪化する大きな要因は2つあって、1つは皮脂や汚れ、もう1つは環境によるものです。以下の項目を血行不良と頭皮環境を意識しながら読むと、自分がどの理由で薄毛になるのかを認識しやすくなるでしょう。

3. ストレス

ストレス社会と言われる昨今、お仕事や人間関係で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ストレスが溜まると体調が悪くなったり、毎日が憂鬱になってしまいます。これは自律神経のバランスがストレスによって崩れてしまうことが大きな原因です。

自律神経は普段、精神や神経の働き、ホルモンバランスなどを調整しています。この調整機能が壊れてしまうと、免疫力が低下して病気にかかりやすくなったり、内臓が上手く機能しなくなるなど、様々な影響を及ぼします。

実は、自律神経のバランスが崩れることは、薄毛にも繋がっているのです。この理由は、大きく2つに分けることができます。

1つは血流の悪化によって起きる髪の栄養不足。2.で書いたように栄養が届かなくなると、栄養失調状態になって文字通り枯れてしまいます。

もう1つは髪の成長が「休止期」になってしまうことです。髪は新しい毛髪を生やす「発生期」、毛髪が成長する「成長期」、成長が鈍化する「後退期」、成長が止まる「休止期」を1サイクルとして形成しています。自律神経のバランスが崩れると髪が「休止期」で止まってしまい、新しく毛髪が生えずに薄毛になってしまいます。

他にも、ストレスを溜め込むことで円形脱毛症などを併発するリスクもあります。なんとなく「毎日がだるいなあ」と感じ始めたら体を動かしたり、仕事をお休みしたりして、ちょっとしたリフレッシュを行ってみましょう! 

4. 栄養バランス

必要な栄養をさまざまな食材から摂取すること。誰もが重要だと知りつつも、実践するのはなかなか難しいことです。筆者も栄養バランスには気を遣っていますが、偏りがあるのは否めません。

髪も栄養を必要とするので、栄養バランスの偏りは悪影響を及ぼします。例えば、亜鉛は髪の成分であるケラチンを合成するのに必要な栄養素で、これが不足してしまうと抜け毛の原因になります。

髪の成分と直接関係ないものでも、脂質や塩分を多く摂ってしまうと髪の毛穴を塞いで抜け毛が多くなったり、血行が悪化し栄養が十分に行き届かなくなって抜け毛に繋がることもあります。

普段の健康にも関わることなので、偏食は避けたいところです。もし野菜が苦手なら、肉を混ぜた野菜炒めやニラレバなど、好きなものと一緒に食べてみましょう。緑黄色野菜は油で炒めると栄養の吸収率が増加するというデータがあるように、非常に相性がよいので、野菜が好きな方にもオススメです!

5. 不適切なヘアケア

肩が凝ったらマッサージをして体を労るように、髪を労ることで抜け毛を減らすことができます。ヘアケアというと軽視しがちですが、実は誰でも簡単に実践できるのです。

ヘアケアのポイントは2つ。頭皮の皮脂や汚れを落とすことと、血行を良くすること。

人は生活をする中で、頭皮の毛穴に皮脂や汚れが溜まっていきます。皮脂や汚れは毛髪の成長を阻害してしまうので、一日の終わりに髪を洗って清潔に保ちましょう。

血行を良くするにはマッサージが一番です。頭皮をマッサージすることで血行が良くなり、栄養が髪まで届きやすくなります。また、髪へ適度に刺激を与えると成長が促進されるので、マッサージは一石二鳥の手段です。

以前に薄毛予防になるシャンプー方法と頭皮マッサージ方法を書いていますので、ぜひ参考に実践してみてください。

6. 過度な飲酒

日頃のストレスを飲酒で解消している方もいるのではないでしょうか。筆者も仕事がない週末はつい飲み過ぎてしまいます。

適度な飲酒は血行を良くしたり、新陳代謝を活発にするなど、健康によいとされています。一方で長期間に渡ってお酒を飲み過ぎると、肝臓・胃・膵臓等々、さまざまな臓器にダメージを与えることも周知の通りです。臓器がダメージを受けると栄養の供給が少なくなり、髪に十分な栄養が届かなくなるので抜け毛・薄毛につながります。

また、飲み過ぎは動脈硬化を進めるため血流が悪くなり、やはり栄養が届きにくくなります。

とは言え、禁酒するのは難しいですよね。日頃のビール2本から1本に減らしてみたり、週に1日だけ休肝日を設けるだけでも好転しますので、気付いたときにでも行ってみてください。

7. 喫煙

タバコは体に悪いと分かっていても吸ってしまうもの。「過去に何度も禁煙に成功している」なんて揶揄されることも。そんなタバコも、吸ったらすぐに髪が抜けるわけではありませんが、薄毛の間接的な原因になります。

1つは、タバコを吸うことでビタミンが多く消費されてしまうことです。タバコに発がん性物質が含まれていることは周知の通りですが、寺下医学事務所さんによれば、がん化を防ぐためにビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、βカロチンなどが消費されるとのこと。特にビタミンE、βカロチンは髪の育成に大切な栄養素です。喫煙をしている方は、非喫煙者よりも多く栄養を摂取するようにしましょう。

もう1つは、血管が収縮すること。横浜市健康福祉局には、以下のように書かれています。

ニコチンにより心拍数の増加、末梢血管の収縮、血圧の上昇がおこり血管が損傷されます。そして、血圧の上昇、心臓や血管への負担の増加、血液中の粘調度の増加(血液がどろどろになります)を招き、心臓・血管障害が起こりやすくなります。 

タバコを吸うとどうなるの? – 横浜市健康福祉局

薄毛予防を行う上で、血行が重要な理由は最初に書いた通りです。喫煙をする方で「髪が薄くなってきた…」という方は、少しずつ本数を減らしてみてはいかがでしょうか。解決する問題は、きっと薄毛だけではないはずです。

8. メタボリックシンドローム

厚生労働省が公開する「国民健康・栄養調査結果の概要」の平成23年のデータによれば、日本人男性の約30%は肥満です。昭和51年から比べるとパーセンテージは約2倍に跳ね上がっています。

肥満であることを自覚するようになってから気にする言葉といえば「メタボリックシンドローム」。医学的に言えば内臓肥満に高血糖症・高血圧症・脂質異常症のうち2つ以上が併発した状態を指します。

メタボリックシンドロームの各要件は、実はそれぞれ薄毛の原因に大きく関連するのです。内臓肥満は例によって栄養を髪に届けにくくなりますし、後者の3つは血行の悪化と体の老化を促進します。

メタボリックシンドロームは健康だけでなく、薄毛対策においても回避したい敵です。日頃の生活習慣や体重管理に気をつけましょう。また、前段で紹介したタバコも、メタボリックシンドロームになりやすくなると言われていますので、喫煙者の方は特に注意が必要です。

9. 過度なダイエット

1つ前の項目で「メタボはヤバイ」と書いているので、「ダイエットしよう!」と考える人も多いかと思います。でも、過度なダイエットは禁物です。

「痩せなきゃ、痩せなきゃ」と思いながらダイエットを行うと、極端に食べる量を減らしてしまう場合が多くなります。普段の食事でご飯を1杯だけ減らしたり、肉料理を野菜炒めに変えるなど、ちょっとした工夫でもダイエット効果が期待できます。

さらに会社帰りに1駅歩けば絶大な効果があります。筆者もこの方法で1ヶ月間に2キロ落とすことに成功しておりますので、オススメです。

10. 運動不足

「運動しなきゃ…」とは思うものの、なかなか最初の一歩が踏み出せない方も多いはず。しかし、運動不足は薄毛につながる可能性があること、知っていましたか?

運動不足は肥満を招いたり、血行が悪くなるなど、これまで解説した髪に悪いことが起きる可能性が高くなります。

運動と言ってもジョギングやスイミングのように、ハードである必要はありません。ウォーキングやストレッチ程度の軽い運動でも十分に解消する効果があります。これから、春に向かって暖かくなります。新しい季節に、ウォーキングで汗を流しつつ、桜の花を見に行ってみてはいかがでしょうか。

スマートフォンの万歩計アプリを使うと自分が消費したカロリーなどがわかり、ウォーキングが楽しくなるのでオススメですよ!

環境

11. 季節

日本は春夏秋冬がはっきりした国です。しかし、それゆえに季節的な要因も大きくなります。

例えば夏の紫外線は、冬と比べて3倍以上強くなることがあります。紫外線は髪に含まれるメラニンを分解したり、ケラチンタンパク質を構成するシステインという物質がダメージを受けるなど、髪全体に大きな影響を与えることが分かっています。

紫外線以外にも、季節が髪に与える影響としては、冬の乾燥した空気が挙げられます。空気が乾燥すると、頭皮を守るために表面の角質が通常よりも早く変化し、フケとなって頭皮に溜まるので不衛生な環境となり、放っておくと抜け毛の原因になります。また、空気が乾燥することで静電気も起こりやすくなり、毛根にダメージを与えて髪のサイクルが乱れ、そのまま生えてこない……ということもあります。

特に夏と冬は要因が多くなるので、季節ごとの対策を欠かさないようにしましょう。紫外線や冬の対策は以前にブログを公開しておりますので、そちらをぜひご覧ください。

遺伝

12. AGA

最後が男性型脱毛症、いわゆるAGAによるものです。

研究によると、AGAは遺伝によりリスクが高まることが分かっています。AGAに対する遺伝の影響は約70〜80%と言われています(残りの約20〜30%は生活・環境)。

しかし、AGAは治療により発症を遅らせることができます。自分の発症リスクを知るためにも、自分の家系(特に母方の祖父)を見直し、AGAの方がいれば遺伝子検査を受けてみましょう。

最後に

みなさんの生活や環境に当てはまっているものはありましたか?

でも、日頃の生活習慣を変えるのは大変ですよね。難しいことを「できなきゃダメだ」と考えてしまうと、できなかった自分にストレスが溜まってしまいます。

野菜を少し多めに食べてみるとか、お風呂からあがった後にマッサージしてみるなど、簡単なことから始めてみてください。そして、続けられたら自分を褒めてあげましょう!

 

公開日:2015/03/25

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